AGA治療の外用薬 ミノキシジル系発毛剤の重要事項

「ミノキシジル成分配合の外用薬(発毛剤)」についてご紹介します。近年では、薬剤師の使用確認などを済ませれば、ドラッグストアやインターネットでも入手できます。発毛力に関して絶対に理解しておいていただきたいポイントをご紹介しますので、ぜひご確認ください。

ミノキシジル配合外用薬は種類が豊富
~日本国内のものだけでも20種程度存在~

おそらく皆さんがご存じなのは「リアップ」や「スカルプD」なのではないでしょうか。最近では、林修先生がCMに起用されている「ラボモ」なんてものも露出度が高くなってきました。それでも、まさか20種程度の発毛剤があるとは想像されていないと思います。

こちらのスライドにあるのように、各社製品は国内ではざっくりと20種類ほど存在しています(最後のものだけ海外製のものです)。

発毛剤と育毛剤の違い

ずらりと並ぶ製品は全て「発毛剤」であり、「育毛剤」とは異なります。違いに関してですが、「発毛剤」には「ミノキシジル成分」が含まれていることが最大の特徴です。これは「血管拡張作用」をもたらすもので、頭皮の血流を改善して滞りがちだった栄養分の供給ルート(頭皮の毛細血管)を広げ、毛乳頭や毛母細胞を活性化することで生える力(=発毛力)を取り戻そうというものです(実際に生えるかどうかはさて置き、そのような狙いはあります)。つまり、「発毛剤」とはミノキシジル成分を含有するもので、「血流改善効果により結果的に発毛力を取り戻そうとしているもの」とまとめることができます。

一方の「育毛剤」については、「ミノキシジル」が含まれておらず、製品の括りとしても「医薬品」ではなく「医薬部外品」にカテゴライズされます。「生える力」を獲得すると謳えるものではなく、頭皮環境を整えることで髪が抜けて少なくなることを予防するものです。よって「今ある髪を健康に維持すること」に狙いを定めているのが育毛剤です。

発毛剤…血流改善 → 栄養供給ルート再確保 → 毛根に栄養が届き発毛力に寄与
育毛剤…頭皮環境を整える → 今ある髪を健康に保つ(不用意な抜けを予防)

発毛剤のミノキシジルの成分比は国内製品で5%まで

ミノキシジルについては、実は「錠剤タイプの内服薬」も海外製のものとしては存在しています(ROGAINE=ロゲインやLONITEN=ロニテン)。ただし、ミノキシジル成分配合の内服薬(飲み薬)をAGA治療薬として正式に承認している国は日本を含めて一つもなく、副作用という面で取り扱いに厳重注意を要するものとなっています。元々、血圧降下剤という使われ方であるため、使い方を間違えると心肺機能への影響などリスク面が非常に大きいのです。

このようなこともあって、頭皮に塗布するタイプの「発毛剤」であっても、ミノキシジルの成分比(配合比)については5%までという基準があります。5%を超えるものを提供する場合は、日本国内では医師の診察が必要となっているため、薬局でも取り扱うことのできる発毛剤は全て最大値を5%に揃えています。

医療機関からなら海外製の外用薬(ミノキ7%や15%)も入手可能

ただの一例に過ぎませんが、たとえばゴリラクリニックであれば、「ヴェラルティス」という海外製の外用薬(塗り薬)を患者さまの頭皮環境に合わせて処方することもあるようです(上のスライドの最後にある2%・7%・15%が選べるものです)。これが発毛剤という括りなのかは国内メーカーのものではないのでわかりませんが、使い方としては頭皮に塗布するタイプのミノキシジル成分を含む外用薬です(ゴリラクリニックでは男性向けの薄毛治療になるため、7%か15%かを選ぶ形になります)。

種類が多すぎてどれが良いのかわらかない…

これだけの種類があると「どれがいいのか」?が焦点になってきそうですが、その違いについては各メーカーが考えた上での成分バランスなので、薬学的知識のない者が外から評価しようがありません。ほとんどの方がCMからの印象や製薬会社が培ってきたブランド力、知名度などで選ばれていると思います。

ただ、基本的には各製薬会社が知恵を絞って良い成分を配合しているはずなので、選ぶのであればあえて「安価なもの」からいくつか候補をピックアップし、その中で製薬会社の信頼性を吟味するのが賢いと思います。当サイトとしては、本質的に「ミノキシジル外用薬(発毛剤)」はおススメしておりません。

濃度が濃い=たくさん生えるではない

ちなみに、「15%のものなら効きそうだ!」と考える方もおられるかもしれません。こちらについては、「濃度が濃い」ことが「生える」に直結するわけでないという点をよく理解しておいた方が良いでしょう。血流が豊かになるほど毛が生えるのであれば、心臓周りは毛だらけのはずです。

そんなことよりも「健康上のリスク」を高めてしまう可能性の方が大いに考えられますので、どうしても試してみたいという場合はとりあえずドラッグストアなどで国内製のものをまず手に取り、良い効果が確認できた場合にのみ専門医(クリニック)に相談して濃度の濃い海外製のものを検討すると良いのではないでしょうか。

ミノキシジル外用薬はAGA用ではない
~あくまでも「壮年性脱毛症」が対象~

壮年性脱毛症と男性型脱毛症
あまりこの点について掘り下げて案内しているサイトは見ませんが、実はミノキシジル成分配合の外用薬(発毛剤)は、すべて「壮年性脱毛症(そうねんせいだつもうしょう)」を対象としたものです。上記の国内産18種の発毛剤全てに漏れなく「壮年性脱毛症向け」といった案内があります(外箱や添付文書等の目に付く箇所に必ず記載されています)。

近年では、男性の薄毛症状として男性ホルモンを起因としたものを「男性型脱毛症(AGA)」と分類しますが、ミノキシジル外用薬はそもそもAGA患者向けに製造されているものではありません。効くケースもあれば効かない可能性も十分考えられます。

ということで、無駄な誤用を回避する意味も込めて、ここでしっかりと「壮年性脱毛症」と「男性型脱毛症(AGA)」の違いを整理しておきましょう。

「壮年性脱毛症」は加齢が背景にある薄毛症状

壮年性脱毛症(そうねんせいだつもうしょう)」は、AGAという言葉が普及するまでは比較的広く医療機関でも使用されていた言葉です。これに対するものとしては、「若年性脱毛症(=若ハゲ)」というものがあり、年齢を切り口に薄毛症状を分類する場合にこのような分類をしていました。

ところが、そもそも「薄毛症状」に対して、貴方は20歳だから「若年性脱毛症」、貴方は「45歳」だから「壮年性脱毛症」などと年齢で区分することにあまり意味がないのではないのかという考え方が広まってきました。

若くして薄毛になるのは「ストレス」や「不眠」、極度に偏った「栄養バランス」など特殊な環境も考えられますが、そうではなく遺伝的要因が強く出ているような可能性も想定されます。また、壮年と言われるようなある程度年齢を重ねた男性であっても、「歳を重ねたから薄毛になってきた」というのでは「一向に薄くならない同年齢の白髪の人はどうなのか?」という質問には答えられません。

つまり、やや古い使われ方である「壮年性脱毛症」と「若年性脱毛症」という区分は、薄毛をわかりやすく年齢で整理しただけに過ぎず、必ずしもそれによって適切な治療法が提供できていたわけでもなかったのです。

「男性ホルモン」という原因に着目した表現がAGA

このようなことで、年齢ではなく個人個人の遺伝的な傾向を医学的に正しく捉えようという見方が「男性型脱毛症(AGA)」という言葉によって徐々に広まることになります。現在では、あまり年齢で薄毛症状を区分するようなことはせず、むしろ「薄毛メカニズム」に沿った対処法を念頭に「AGA」という言葉が広く定着するようになってきました(Androgenetic Alopeciaという表現は、厳密には男性ホルモン系の脱毛症という意味です)。

ただ、それでもまだ「壮年性脱毛症」という表現が消えたわけではなく、同様に「若年性脱毛症」と診断されるケースも実態として存在します。これは、取り分け「年齢傾向(加齢による身体機能の衰え)」に強くフォーカスして対処したいとき、あるいはその特殊な傾向や症状を強く患者側に意識付けたいようなときに使われるものです。

仮に、不規則な睡眠習慣を持ち、食生活が乱れ切って日常的に強いストレスにさらされているような20代前半の薄毛症状であれば、AGAと言わず「若年性脱毛症」という言葉を当てる可能性がありますし、運動習慣を一切持たず、肌艶なども含めて新陳代謝の衰えが見られるような40代中頃の男性であれば、(特に担当医がある程度年配である場合)、AGAと表現せず「壮年性脱毛症」と診断することもあるでしょう。

そして、国内メーカーから発売されているミノキシジル成分を配合した発毛剤に必ず「壮年性脱毛症が対象です」と記載されているのは(AGAが対象と明記できていないのは)、「加齢によって血流に滞りが見られるような頭皮環境で薄毛症状を発症している場合にのみ、このミノキシジル成分配合の発毛剤が有効に機能する」と案内したいからです。逆に言えば「運動習慣をしっかりと持っており、血中コレステロール値も程よくキレイな状態の薄毛患者さまであれば、発毛力を信じてこのような発毛剤を塗布しても良くなる可能性は低いですよ…」とひっそりと表明しているということになります。

「誤解は好都合♪」というのがメーカー側の正直な心理?

おそらくではございますが、発毛剤を売る側の心理としては「むしろ誤解してくれた方が好都合♪」というのが本音のはずです。ただ、厚生労働省の承認基準の関係で「これは壮年性脱毛症に対するものであること」をハッキリ記載することが求められていると思われ、「これに沿いながらもあまり大々的にはアピールしない…」という幾分もやっとした形で着地しています。

もちろん、たとえば40代中頃で運動を全くしなくなり、中性脂肪悪玉コレステロールが多いような状態であればミノキシジル成分配合の外用薬が良く効く可能性はあります(毛細血管の血流も悪いと考えられるため)。よって、当サイトとしては決してミノキシジル外用薬が薄毛症状の改善に寄与しないと言うつもりはありません。ただ、それでも「AGA症状に効く」と言い切れないことは確かです(狙い自体が「壮年性脱毛症の患者さま」だからです)。また、ある程度年配の血流の悪い患者さまであっても、薬で無理やり血管を拡張するよりも、先に軽い運動習慣を取り入れるといった策を講じるべきだとも思います。

ミノキシジルは、心肺機能などの影響にも要注意!

話がやや逸れてきましたが、「ミノキシジル成分配合の外用薬」は壮年性脱毛症向けの製品でお薬の力で血流を改善させるものなので、このような薬効に頼ってしまうと血圧関係に影響を与え、心肺機能への負担も懸念されます。

幾分楽で手に取りやすい「ミノキ系の発毛剤」に手を染めてしまう前に、まずは専門医を訪ね、テストステロンと5α還元酵素の結びつきを阻害する「フィナステリド系のAGA治療薬」を半年程度お試しになられることを推奨します(DHT=ジヒドロテストステロンに因って毛髪の弱体化が起こっているのであれば、これである程度の改善が期待されます)。

実はAGAの内服薬の方が安くつく!ってご存知ですか?

AGA医療薬の方が安いことに驚く男性

平均的に7,000円前後する発毛剤は、1日2回(1ml×2度)の塗布で約30日で1本(60ml)を使い切ります。よって、普通に使えばこれらの発毛剤を使い続ける限り月に7,000円前後の出費となります。

一方、プロペシアの後発ジェネリックである「フィナステリド錠」であれば、安価なクリニックのご利用で1ヶ月分4,000円程度の治療費に抑えられます(オンライン診療対応の診察料無料のクリニックフォア(男性)であれば、「フィナステリド錠(定期配送3,412円)」と550円の送料で4,000円弱です)。飲み続けることが条件とはなりますが、発毛剤を塗り続けるよりも安くなりますし、何よりこちらは「AGAの専門治療薬」です。「壮年性脱毛症」向けの発毛剤を「対抗馬」として無理やりスライドさせているのとは違います。

「AGA治療薬」を試してみるか、ドラッグストアにもある「壮年性脱毛症向けの発毛剤」を手に取るか…、冷静に情報を整理し、期待値の高い「ふさ活」に着手していただければと思います。AGAのスタンダード治療薬「プロペシア(フィナステリド)」については、次のようなコラムで丁寧に解説しています。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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