加齢でテストステロンが減るのにDHTが増えるワケ?

DHTが血中テストステロン値の減少に逆行して増える理由 AGA全般
AGA全般
薄毛化の引き金を引く「DHT」は元々血中を流れる男性ホルモン「テストステロン」からできています。よって、加齢で血中テストステロン値が下がれば、DHTの発生量も減るはずです。ところが、実際は歳を重ねるほどにDHTが多くなるのが一般的です。なぜこのようなことになるのか、薄毛化メカニズムの謎に迫ります。

遊離テストステロンの量的変化
~年齢分布図で見る緩やかな減少~

加齢による血中テストステロン値の減少傾向グラフ

出典:「日本人成人男子の総テストステロン, 遊離テストステロンの基準値の設定」より抜粋

(著者:岩本晃明, 柳瀬敏彦, 高栄哲, 堀江均, 馬場克幸, 並木幹夫, 名和田新)

こちらは日本人成人男性の「血中遊離テストステロンの量」を年齢別に測定し、それを分布図として表示したグラフになります。

「遊離(型)テストステロン」とは、フリーテストステロンとも言われ、生物学的に活性度のあるテストステロンのことを表しています。総テストステロンのうち、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)と言われる物質と結合してしまった不活性的テストステロを除いたもので、まだ体内で十分に作用する要素が残っているテストステロンのことを指します。なので、テストステロン値の影響具合を考える場合については、「総テストステロン値」でそのまま検証するのではなく、意図的に「遊離テストステロン値」を用いることが多くなっています。

上記グラフにあるように、一般的に20代中頃をピークに「血中に含まれるテストステロン量」は緩やかに減少し始めます。比較的個人差が大きいことから、ご覧のようにマークされる箇所(値)は同じ年齢の日本人であってもやはりバラツキが出ます。それでも一般成人男性の絶対的な傾向として「遊離テストステロン値は、加齢により緩やかな減少傾向を見せる」という点で共通しています。

とは言え、この緩やかさは本当にのんびりとした傾向であり、50~70歳くらいであってもピーク時の80~60%くらいの量で維持されることが多いようです。このため、本当に徐々に減少していくという見方をしておくと良いでしょう。

血中テストステロンの量が減少していくとどうなる??

血中テストステロンの量がピークを付けて減少し始めたからといって、すぐに身体機能に影響が出るようなものではありません。もちろん、テストステロンは男性らしい骨格を作ったり筋肉量などにも影響を与えるため、肉体的な強化を計る意味ではやはり10代後半くらいから20代のうちが成果を出やすいでしょう。

また、テストステロンはフィジカル面以外にも「物事に対してアグレッシブに立ち向かう…」というメンタル傾向にも影響します。よって、血中テストステロン値が減少し始めると、少しずつではあるものの男性らしい「攻撃性(≒アグレッシブさ)」が収まっていきます。良く言えば「歳を取ると丸くなる…」ということですが、これはある意味「前向きなメンタリティー」が少しずつ低下していく可能性があるとも判断できます。

既に見たように、概ね20代の中頃くらいまでにテストステロン分泌量のピークを迎えるため、「男性はやはり30代に入る頃には生物学的な加齢現象をスタートさせる…」と表現できるのかもしれません(もちろん、徐々にという意味合いでの話です)。

テストステロンはDHTの材料では?
~減った方が良いような…~

前置きが少し長くなりましたが、それでは当記事のメインテーマに移りましょう。血中を流れる男性ホルモンのテストステロン量が減少し始めるということは、よくよく考えるとAGAの原因物質である「DHT(ジヒドロテストステロン)」の構成要素が減ることを意味します。

「テストステロン」+「5αリダクターゼ(還元酵素)」 → DHTの発生

上記のように、悪玉男性ホルモンと言われることの多い「DHT(ジヒドロテストステロン)」は、テストステロンと5αリダクターゼの結合によって産出されるからです。となると、加齢によって生じる「血中テストステロン値の減少」は、DHTの産出量を抑制する変化であるようにも見えてしまいます。

疑問:テストステロンが減るのに、逆にDHTが増える??

男性が抜け毛量の増加や薄毛傾向を感じ始めるのは、早い場合で20代後半くらいからです。これは上述の「テストステロン値の緩やかな減少傾向」とちょうど反比例するような恰好になっていますね。なぜ、血中テストステロン値が減少していく頃になって上記のようなプロセスが発動するのか…非常に謎ですよね。

理由:血中テストステロン減少で5αリダクターゼが活性化!

医療機関のホームページに掲載されている解説を元に結論をご紹介すると、実はテストステロン値が減少することにより「5αリダクターゼ」の活性度が増すということのようですつまり、テストステロン値の総量は徐々に減ってはいくものの、この減少傾向が察知されることで「5αリダクターゼ」が「どうにかせねば…」と活発に動き始め、この結果として減りつつあるテストステロンを有効活用してDHTが産出され始めるということのようです。

筆者は医師の立場ではないので厳密な案内はできませんが、とある医療機関のホームページで以下のように案内されていますので、この部分をフォーカスして記事としてまとめさせていただきました。

実は元々DHTは、髪の毛にも無害な「テストステロン」という男性ホルモンなのですが、加齢などによって減少していきます。そのホルモンの減少をカバーするために「5-αリダクターゼ」という酵素が働き始め、テストステロンをDHTに変化させていきます。この変化の時が、強い脱毛作用が起きている時なのです。

出典:医療法人社団吉心会「にいほりクリニック」
DHT(ジヒドロテストステロン)の解説より抜粋

DHTは、血中テストステロン値が減り、5α還元酵素の活性度が上がることで誕生

本来は血中を流れているテストステロンが減ってくるのだから、それを原材料として産出されるDHT(ジヒドロテストステロン)は作られにくくなるはず…。ところが、テストステロンが減ってきてしまったからこそ「そろそろ俺の出番か…」とばかりに、「5αリダクターゼ」が動き出す…。この結果、頼んでもいないのにテストステロンよりも強い「DHT(ジヒドロテストステロン)」が誕生して発毛力を弱体化させてしまう…。このようにイメージしておくと良いかもしれません。

逆に言うと、20代の頃にあまり薄毛化傾向が顕著にならないのは、血中テストステロン値が十分に安定しており、毛根部分に控えている5αリダクターゼが「まだ俺の出番ではないな…」とその力を封印しているからと見ることも可能です(だからこそ、遺伝的に5αリダクターゼが多く引き継がれている場合でも、20代前半くらいの頃は滅多なことではDHTが量産されない…というわけですね)。

よって、30代以降になってくるとテストステロン値が緩やかに減少し始め、それまで薄毛症状など無縁だった人でも、徐々にDHTが産出され始める可能性があります…。DHTが量産されてしまうかどうかは、ひとえに遺伝情報として受け継がれている「5αリダクターゼ」の総量と活性化しやすい傾向があるかどうかに因ります。これが受け継がれているケースでは、加齢と共にテストステロン量が減少するに従い、徐々に前頭部や頭頂部でDHTが産出されていき、薄毛化傾向が緩やかにしかし着実に進行していく…ということになります。

「5αリダクターゼ」が明後日の方向に反応してしまうからこのようなことになってしまうわけですが、おそらく本人は良かれと思って動き出すと言うか…、ここにもきっと何かしらの生物学的な理由があるのでしょう。とは言え、結果として男性の髪のボリュームを奪ってしまうため迷惑以外の何物でもありませんよね。

もちろん、男性なら全員が薄毛になってしまうわけではなく、白髪を主体として見た目の上でも好ましい年の取り方となるケースもあります。しかし、逆に言うと遺伝的な傾向として「5αリダクターゼ」の多さや活性化しやすい傾向が引き継がれている場合は、薄毛化症状が出始めた段階で早めに対策を講じないと、ズルズルと生え際や頭頂部付近で毛髪量が減っていってしまいます…。

治療開始のベストタイミングは?
~相談すべき場所~

医師(AGA専門医)の判断

最初に見たように、テストステロンの分泌量は20代中頃をピークとして必ず減少していきます。これにより、「5αリダクターゼ」の活性度が増します。このため、5αリダクターゼを元々多く備えている遺伝的傾向があれば、テストステロンが減少し始める頃から徐々にDHTが産出されていくということになります。

生え際の後退や日々の抜け毛量の増加がこのような薄毛化プロセス開始の一つのサインと言えます。何となくでも「なんだか薄くなってきたのでは…」と自覚症状が出始めた場合は、既にある程度DHTが作られ、これがヘアサイクルの短縮を促してしまった結果だと判断されるケースが多いです。

つまり、「自覚症状をもって不安を感じ始めた時期くらいに治療を開始する」のが髪を失わないための正しい選択になります。このタイミングで専門医を受診しておくと、ベストな改善方法を提案してもらえるでしょう(一般的には医学的有効性が確認されている治療薬(プロペシアやザガーロなどの5α還元酵素阻害薬)が案内されることが多いです)。

もしかしたら、「季節的な薄毛量の増加でちょっとした思い込みだった…」というケースもあるかもしれませんが、このような場合も「無料カウンセリング」で画像診断を受けておけば、専門家視点の回答と共に安心感が得られます。「無料カウンセリング」に参加したからと言って、契約しなければならないものでもありませんので、気になる場合は早めに相談することをおススメします。

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