
01AGAでもたらされる変化
~ヘアサイクルの乱れとは?~

ヘアサイクル(毛周期)が極端に短縮してしまう…
ところが、AGAの場合にはこのサイクルの中の「成長期」が大幅に短縮してしまいます(通常、2年~6年あると言われる毛髪の成長期が、わずか数ヶ月~1年に激減します)。結果、今生えている毛があまり成長しなかったり、新たに生え始めた毛さえ弱々しいもの(軟毛)になってきます。毛髪1本の1本の太さが変化し、抜け毛も増えてしまいますので、ネガティブな意味での「透け感」が前頭部や頭頂部などに見られるようになってしまうのです。
すくすくと育ってくれないという「ヘアサイクルの乱れ」は、植物でもよく見られるように根っこ部分(毛根部分)に要因があります。
髪1本1本の成長を「髪の製造工場」で考えるなら、AGAでは流れるべき部品が流れていない、否、流すべきでない不良材料が流れて悪影響が出ている…と見ることができます。では、具体的に毛根部分(毛乳頭や毛母細胞周辺)にフォーカスして考えてみましょう。

02AGAの内部メカニズム
~毛根内部の具体的な発毛抑制プロセス~

毛根内部で起こっている発毛抑制原理

- Step1.第一の結合(反応)男性本ルモンの代表格「テストステロン」が毛細血管を通じ、毛髪工場の「毛乳頭」に届きます。すると、「テストステロン」が毛乳頭の中にいる「5αリダクターゼ(還元酵素)」と反応します。
→ DHT(ジヒドロテストステロン)が誕生
- Step2.第二の結合(吸着)「テストステロン」と「5αリダクターゼ」の反応によって生じた「DHT」を「アンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)」が吸着します。
- Step3.TGF-β1の生成「アンドロゲンレセプター」による「DHT」の取り込みによって、「TGF-β1」という物質が生成されます。
→ TGF-β1(トランスフォーミング増殖因子ベータ)が誕生
- Step4.ネガティブシグナルの発信(発毛抑制)「TGF-β1」が「FGF-5」という物質に発毛抑制シグナルを伝達します。これがヘアサイクルを「退行期」へと押し進め、「毛髪が育たず抜け毛が増える」という影響が出始めます。

毛髪にとっても本来は発毛力というプラス作用をもたらすものなのですが、毛乳頭周辺に存在し得る「5αリダクターゼ」と結合してしまうと、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる変形型の男性ホルモンに生まれ変わってしまい、その影響力がマイナスに傾いてしまいます。
イラストでは、わかりやすくテストステロンを「青」で表示し、5αリダクターゼ(還元酵素)を「赤」で示しています。青と赤が混ざり「DHT(紫)」になった後については、アンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)の感度が良ければ、更に吸着して「TGF-β1(トランスフォーミング増殖因子ベータ)」が誕生してしまいます。これが発毛力にネガティブな影響をもたらすとされています(毛母細胞の活動を阻害し、ヘアサイクルの成長期を大幅に奪い去ります)。
実際にはもちろんこのような「色」や「形」が備わっているわけではありませんので、この点はご理解ください。
03AGAの遺伝的要素は2つ!
~ただ、DHTが量産されやすいだけではない~
1.「5αリダクターゼ(還元酵素)」の活性度が高い
毛根奥の毛乳頭部分に存在する「5αリダクターゼ(還元酵素)」がきびきびと活動する傾向にあると、テストステロンと結合する確率が増し「DHT(ジヒドロテストステロン)」が多く産出されます。


「5αリダクターゼ」については、元々「前頭部」や「頭頂部」の毛根に多く存在します。ここに、個人個人の「5α還元酵素の活性度」が加わり、DHTが作られやすい、作られにくいの個体差が生じます。「M字型」や「O字型」で表面化するのは、これらの結果というわけです。
2.「アンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)」の感度が良い…
実は、DHTが産出されれば必ず薄毛化スイッチが押されてしまうというわけではなく、DHTをどれだけ受容してしまうかという「アンドロゲンレセプターの感度」によってヘアサイクルに悪影響が及ぶのかが決まります。
レセプターがしっかりとDHTと吸着しなければ「TGF-β1(トランスフォーミング増殖因子ベータ)」は発生しませんので「発毛抑制シグナル」は発せられません。このため、第一の遺伝要因(5αリダクターゼの数)でDHTがたくさんできる傾向にあっても、薄毛症状が顕在化しないこともしないことも考えられます。
このようなことから「AGAを若くして…」といったケースでは、ダブルでネガティブな遺伝的要因(①5αリダクターゼの量の多さ、②アンドロゲンレセプターの感度の良さ)を引き継いでしまった可能性が高いと推測されます。
とは言え、「アンドロゲンレセプターの感度」は現状外からコントロールすることなどできません。よって、その前段階のDHTの発生を抑制する「5α還元酵素阻害薬」を用いるのが現在の「AGA治療の基本」となっています。このあたりは、AGA治療薬のページで丁寧に解説しています。
補足.生活習慣はもちろん影響するが、遺伝的要因ほど強くはない
これらは遺伝要因と比べると、毛髪への影響は限定的
- 食生活
- ストレス
- 運動習慣
- 睡眠習慣
- 飲酒量
- 喫煙習慣
薄毛化のサインとして「軟毛が増えてきた」ケースや「生え際が薄くなってきている…」といった状況なら、早めに専門医に相談した方が絶対に良いはずです。早期に着手すれば「毛髪の弱体化を食い止めやすくなる」ので、長い目で考えると費用面でも安く整うケースが多くなります。薄くなってから複数の治療薬や治療法に手を付けるよりも、お金も髪も残しやすいのです。
04AGAは早期治療が鍵!
~オンライン診療を活用しよう♪~
近年「オンライン診療(リモート診療)」という新たな取り組みが急速に広がりつつあります。従来までは、対面型の治療が当たり前だったところ、お薬の処方がメインとなる治療においては、スマホやPCを活用した遠隔診療が現実のものとなってきました。AGAの薄毛対策もベースとなるが「内服治療(飲み薬での対処)」ですので、非常に相性が良いものとなっています。
地方にお住まいでも都会と同じように専門医とのやり取りが可能になるため、今後もAGA治療では広く活用されていくものと予想されます。

クリニックフォア
AGAリモート診療はこんな人に最適
- 地方に住んでいて、そもそも通えない
- 受付や待合室での視線が気になる
- 今のところ内服治療しか考えていない
- 医療機関から薬を購入できればそれでいい
- 来院の度に診察代がかかるのが無駄に思える
「オンライン診療」が可能と案内されている医療機関については、初診は来院しなければならないクリニック(2回目以降から遠隔診療が可能な医院)が大半です。この点、上記の「クリニックフォア(CLINIC FOR)」では、初診からお薬の受け取りまで全てオンラインのみで完結させられます。AGAの専門医というわけではありませんが、医師が診察したうえで適切に処方薬を出してくれますので、地方にお住まいの方はもちろん、都度の診察代や交通費を抑えたい場合にも選択しやすいものとなっています。